在宅酸素の生活の注意点|停電・災害時の対応まで訪問診療医が解説
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監修:國﨑正造(医療法人社団川田会 理事長) / 川田会 在宅診療部 在宅医療コラム
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在宅酸素の生活で最も大切な注意点は、①火気を吹き出し口から離す、②機器を清潔に保つ、③停電に備え携帯用ボンベを常備する、の3点です。さいたま市南区で訪問診療を行う川田会 在宅診療部が、停電・災害時の具体的な対応から入浴・外出時の工夫、SpO2の見方まで、実際の生活に即してご説明します。
在宅酸素療法(HOT)とはどんな治療?なぜ必要になるの?
在宅酸素療法(HOT:Home Oxygen Therapy)とは、血液中の酸素が慢性的に不足している方が、酸素濃縮器などの機器を使い、ご自宅で酸素を吸入しながら生活を続けるための治療です。慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、心不全、肺がんの術後など、呼吸機能が低下する病気で導入されることが多く、動脈血中の酸素分圧が一般的な目安として55Torr以下、または睡眠時・労作時に著しい低酸素をきたす場合に、主治医の判断で開始されます。
目的は、不足している酸素を補うことで息切れやだるさを和らげ、家事や外出といった普段の生活動作をできるだけ維持することにあります。機器には自宅で使う「酸素濃縮器」、外出時に使う「携帯用酸素ボンベ」や「携帯用酸素濃縮器」があり、多くの方は自宅用と外出用を組み合わせて使用します。導入初期は機器の操作や生活動線の変化に戸惑う方も多いですが、点検すべきポイントはそれほど多くありません。次の項目からは、実際の生活の中で気をつけたい注意点を具体的に見ていきます。
在宅酸素の生活で気をつけるべき注意点は?
在宅酸素療法の生活で最も気をつけるべき注意点は、①火気を酸素の吹き出し口から十分に離すこと、②医師の指示どおりの時間・流量を守ること、③機器を清潔に保つことの3つです。中でも火気管理は命に関わる最重要事項で、厚生労働省も在宅酸素療法中の患者・家族に向けて繰り返し注意を呼びかけています。
酸素は燃えるものではありませんが、ものが燃えるのを著しく助ける性質があるため、酸素の吹き出し口やチューブの周囲では、目安としておよそ2m以内でのガスコンロ・ストーブ・線香・ろうそく・喫煙(電子たばこを含む)は避ける必要があります。台所で調理をする際は、コンロから離れた場所にチューブを回す、もしくは調理中だけ酸素濃縮器を別室に置くといった工夫が有効です。
機器の管理面では、加湿用の水は毎日交換し、フィルターは週1回程度を目安に水洗いして清潔を保つこと、チューブの折れ曲がりや圧迫がないか定期的に確認することも大切です。流量を自己判断で増減させると、効果が不十分になったり、逆に体に負担がかかったりすることがあるため、体調の変化を感じたときは自己判断せず、まずはかかりつけ医・訪問診療医に相談してください。
酸素濃縮器のトラブル・停電・災害時はどう対応すればいい?
酸素濃縮器の故障・チューブの外れ・停電が起きたときは、まず①酸素業者から貸与されている携帯用酸素ボンベに切り替える、②電源プラグの抜けやコンセントの不具合を確認する、③改善しなければ酸素業者の緊急連絡先(多くは24時間対応)に連絡する、④息苦しさが強い場合はかかりつけの訪問診療医に連絡する、という4つのステップで対応します。
台風・地震・落雷などによる停電は誰にでも起こり得るため、日頃から携帯用酸素ボンベを1本以上、できれば予備を含めて自宅に常備し、使い方(開栓・流量の合わせ方)を家族も一緒に確認しておくことが基本です。ボンベの残量が減っていないか、月に一度は目視で点検する習慣をつけるとより安心です。
在宅で訪問診療を受けている患者様の場合、体調急変時にどこへ連絡すればよいかがあらかじめ分かっているかどうかで、ご本人・ご家族の安心感は大きく変わります。川田会 在宅診療部では、訪問診療をご利用中の患者様に緊急時のご相談方法をあらかじめお伝えし、外来と同じ医療法人が引き続き診療にあたる体制をとっています。機械のトラブルそのものは酸素業者が窓口になりますが、体調面でご不安があるときは遠慮なく訪問診療医へご連絡ください。
入浴・外出・旅行時の携帯酸素はどう準備する?
入浴時は、酸素濃縮器本体を湯気や湿気の多い浴室に持ち込まないことが基本です。7〜10m程度の延長チューブを使い、本体は脱衣所など湿気の少ない場所に置いたまま入浴する方法が一般的で、自己判断で酸素を外さず、装着時間や入浴の可否は主治医の指示に従ってください。
外出・旅行の際は、携帯用酸素ボンベまたは携帯用酸素濃縮器を利用します。契約している酸素業者に外出予定を事前に伝えておくと、必要な本数や充填済みボンベの手配、旅行先での機器手配(宿泊先への配送等)に対応してもらえることがあります。飛行機を利用する場合は、航空会社によって医師の診断書提出や事前申請が必要になることが多いため、早めに酸素業者・航空会社の双方に確認しておくと安心です。
携帯用の機器選びで迷う場合は、外出時間や荷物の量に応じて次のような目安で検討するとよいでしょう。
| 機器 | 重さの目安 | 稼働時間の目安 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 携帯用酸素ボンベ | 1〜3kg程度 | 数時間程度(流量により変動) | 短時間の外出・通院 |
| 携帯用酸素濃縮器 | 2〜5kg程度 | 電源があれば継続使用可 | 長時間の外出・旅行 |
いずれも実際の稼働時間や重さは機種・流量設定によって差があるため、正確な数値は契約中の酸素業者に確認してください。
在宅でのセルフモニタリング(SpO2の見方)はどうすればいい?
パルスオキシメーターで測るSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)は、健康な方でおおむね96〜99%が目安とされ、在宅酸素療法中の方は主治医が定めた目標値を保てているかを日々確認することがセルフモニタリングの基本です。多くの場合、安静時のSpO2が90%を下回る、または普段の数値より3〜4%以上低下し、息苦しさや動悸を伴うときは、我慢せず速やかにかかりつけ医・訪問診療医へ連絡することが推奨されています。
測定は指先にセンサーを挟むだけで数十秒あれば結果が出るため、決まった時間(起床時・就寝前など)に測って記録しておくと、体調変化に早く気づく手がかりになります。爪に濃い色のマニキュアを塗っていたり、指先が冷えていたりすると正しく測定できないことがあるため、測定前に指先を温める、マニキュアを落とすといった一手間も精度を保つポイントです。
数値だけにとらわれすぎず、「息切れが普段よりつらい」「顔色が悪い」「意識がぼんやりする」といった自覚症状・見た目の変化も併せて観察し、数値と体調の両方で判断することが大切です。判断に迷うときは、無理をせず早めに医療機関へご相談ください。
さいたま市南区・南浦和で在宅酸素療法を受けるには?
さいたま市南区・南浦和エリアで在宅酸素療法を続けながら暮らす方にとって重要なのは、通院が難しくなったときも、それまでの経過を知る主治医が自宅まで診療を継続できるかどうかです。川田会 在宅診療部は、外来診療を行う川田クリニックと同じ医療法人社団川田会が運営しており、外来から訪問診療まで同じ医療法人が切れ目なく伴走できる体制を強みとしています。
対応エリアはさいたま市南区を中心に、南浦和・浦和・武蔵浦和・蕨エリアです。日本神経学会認定 神経内科専門医の常勤医師も在籍しており、訪問診療にも対応しています(消化器・内視鏡など他分野については専門医資格の表記はございません)。ケアマネジャーや病院の連携室・地域包括支援センターからの在宅酸素療法に関するご相談も歓迎しております。
外来(川田クリニック)の基本情報は以下のとおりです。訪問診療のご相談は、下記電話番号またはお問い合わせフォームからお願いいたします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 川田クリニック(医療法人社団 川田会) |
| 所在地 | 〒336-0018 埼玉県さいたま市南区南本町2-22-2 |
| 電話番号 | 048-606-4219 |
| 診療・受付時間 | 平日 9:00〜17:00(訪問診療のご相談受付) |
| 休診日 | 土曜・日曜・祝日(訪問診療のご相談受付) |
| アクセス | JR京浜東北線・武蔵野線 南浦和駅 徒歩4分 |
訪問診療・在宅酸素療法のご相談は、kawata-zaitaku.com のお問い合わせフォーム(/contact.html)またはお電話にて承っております。
在宅酸素療法の費用はどのくらいかかる?
在宅酸素療法には公的医療保険が適用され、自己負担割合は年齢や所得によって1〜3割です。目安として、69歳以下の方は3割負担、70〜74歳の方は原則2割負担(現役並み所得の方は3割)、75歳以上の後期高齢者医療制度の対象になる方は原則1割負担(現役並み所得の方は3割)となっています。実際の負担額は、使用する機器の種類・台数や在宅酸素療法指導管理料など複数の項目の合算で決まるため、月々の金額は加入している医療保険の制度や処方内容によって変わります。
介護保険を利用して福祉用具貸与などを組み合わせる場合は、要介護度に応じて1〜3割の自己負担でサービスを利用できる仕組みもあります。在宅酸素療法そのものは医療保険の範囲で行われる治療のため、費用の詳細な内訳は制度や個々の処方状況によって異なり、この記事内で一律の金額をお示しすることはできません。
ご自身やご家族が実際に負担する金額の目安を知りたい場合は、加入している医療保険の窓口、または実際に処方を行う医療機関に直接確認するのが最も確実です。川田会 在宅診療部にご相談中・ご検討中の方は、お問い合わせフォームまたはお電話でお気軽にご確認ください。
よくある質問
在宅酸素療法は一生続けないといけないの?
原因となる病気や状態によって異なります。慢性閉塞性肺疾患など進行性の病気では長期・継続が基本ですが、心不全の急性増悪からの回復期など一時的な低酸素状態が改善すれば、主治医の判断で終了できるケースもあります。自己判断で中断せず、定期的な受診で必要性を確認しながら続けることが大切です。
酸素を吸いながらタバコを吸ってしまったらどうなる?
酸素濃縮器から出る高濃度酸素の近くでの喫煙は非常に危険で、実際に引火・火傷事故が報告されています。厚生労働省も繰り返し注意喚起している最重要の禁止事項です。ご本人だけでなくご家族・来客も含め、酸素チューブの周囲2m以内では喫煙しないよう徹底してください。
停電になったら酸素はどうすればいい?
まず酸素業者から借りている携帯用酸素ボンベに切り替えてください。多くの業者は停電・災害時のためにボンベを在宅に常備するよう案内しています。ボンベの残量や使い方は普段から確認しておき、切り替え後も息苦しさが続く場合はためらわず訪問診療医や酸素業者の緊急連絡先へ連絡しましょう。
入浴時に酸素を外してもいい?
自己判断で外すのは避け、必ず主治医の指示に従ってください。短時間であれば入浴時も装着したまま、延長用のチューブで浴室外に酸素濃縮器を置いて入浴する方法が一般的です。湯気や湿気は機器の故障につながるため、濃縮器本体を浴室内に持ち込まないことも安全のポイントです。
さいたま市南区で在宅酸素療法の訪問診療を相談できますか?
はい、川田会 在宅診療部ではさいたま市南区を中心に南浦和・浦和・武蔵浦和・蕨エリアで訪問診療を行っており、在宅酸素療法を受けている方の定期的な診療にも対応しています。ケアマネジャーや病院の連携室からのご相談も歓迎しておりますので、まずはお電話またはフォームからお問い合わせください。
まとめ
在宅酸素療法は、火気からの距離管理・機器の清潔保持・停電や災害時のボンベ備蓄という基本を押さえれば、自宅での生活を安全に続けられる治療です。特に停電時はまず携帯用ボンベへの切り替え、体調に不安があるときはSpO2を確認したうえで早めにかかりつけ医へ連絡することが大切です。さいたま市南区・南浦和エリアで訪問診療をお探しの方は、川田会 在宅診療部までお気軽にご相談ください。
参考文献
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を代替するものではありません。症状がある場合は医療機関を受診してください。
院長・内科医國﨑正造からのコメント