認知症の親を病院に連れて行けない|訪問診療という選択肢【さいたま市南区・南浦和】

監修者 國﨑正造(医療法人社団川田会 理事長)

監修:國﨑正造(医療法人社団川田会 理事長) / 川田会 在宅診療部 在宅医療コラム

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認知症の親が病院に行くのを拒む、あるいはそもそも連れて行けないというご相談は少なくありません。無理に説得して消耗する前に、まず試せる工夫があり、それでも難しい場合は医師が自宅に来る「訪問診療」に切り替えるという方法があります。さいたま市南区南本町の川田会 在宅診療部では、外来から訪問診療まで同じ医療法人が一貫して対応し、南浦和を中心に浦和・武蔵浦和・蕨エリアまで伺っています。まずは自宅で試せる工夫から、訪問診療へ切り替える目安、地域の相談先までこの記事でまとめてご説明します。

認知症の家族を病院に連れて行けない時、どうすればいい?

結論からお伝えすると、無理に連れて行こうとして消耗する前に、まず受診の設定そのものを少し工夫してみて、それでも難しければ医師が自宅に来る「訪問診療」に切り替えるのが現実的な対処法です。訪問診療なら、説得や外出そのものが難しい段階でも、在宅のまま診察・薬の調整・体調管理を続けられます。

まだ外来受診を試せる段階であれば、次のような工夫で状況が変わることがあります。

  1. 受診理由の伝え方を変える:「病院に行くよ」ではなく「いつもの薬をもらいに」「健康診断だから」など、本人が不安を感じにくい言い方に変える
  2. 受診の時間帯・段取りを工夫する:混雑が少なく待ち時間の短い開院直後の時間帯を予約する、事前に受付へ「認知症があり長く待つのが難しい」と伝えておき到着後すぐ案内してもらえるよう調整する、付き添いの家族が先に受付を済ませ本人は車内で待機し呼ばれてから短時間だけ院内に入る、といった運用レベルの工夫が実際に効果を発揮することがあります
  3. 付き添い・誘い方を変える:本人が信頼している家族や友人に付き添いを頼む、あるいは「一緒に出かけよう」など受診と気づかれにくい誘い方にする。例えば、デイサービスを嫌がっていた父親に、普段厳しく接しがちな息子ではなく、日頃から穏やかに接している妻が「一緒にお散歩がてら」と誘ったところ、すんなり支度をしてくれた、というように、誘う人や誘い方を変えるだけで反応が変わるケースは珍しくありません
  4. 事前にかかりつけ医・ケアマネジャーへ相談しておく:本人の性格や拒否の傾向を伝えておき、受診当日の対応方法をあらかじめ医療者側と共有しておく

これらを試しても連れ出せない場合、あるいは試すこと自体が本人の負担になっている場合は、無理に外来受診を続ける必要はありません。認知症が進むと、住み慣れない場所への移動や見知らぬ人との対面そのものが強い不安や混乱を招き、本人の抵抗が「わがまま」ではなく症状の一部として表れることがあります。訪問診療は、医師が定期的に自宅を訪れて診察・処方・体調管理を行う仕組みで、外来通院を前提としないため「連れて行けない」という悩みそのものを解消できます。

まず大切なのは、ご家族が「説得できない自分はダメなのだ」と自分を責めないことです。認知症の受診拒否は珍しいことではなく、多くのご家族が同じ壁にぶつかっています。ケアマネジャーがすでについている場合は在宅医療への切り替えを相談でき、まだ介護保険サービスを使っていない場合は、お住まいの地域を担当する地域包括支援センターが最初の相談窓口になります。窓口の名称や連絡先は自治体により異なるため、最新情報はさいたま市の公式サイトでご確認ください。

なぜ認知症の方は病院受診を嫌がるのか?

受診拒否の背景には、記憶や見当識の低下による「病気だと自覚していない」「何をされるか分からない不安」「知らない場所・人への警戒心」の3つが重なっていることが多く、性格や本人の意思の弱さが原因ではありません。認知症は記憶障害だけでなく、時間・場所・状況を把握する見当識にも影響するため、本人にとって「体調が悪いから病院に行く」という因果関係自体が理解しづらくなっている場合があります。

また、加齢や認知症に伴う症状として、慣れない環境で強い不安や興奮を示す方も少なくありません。車で長時間移動する、待合室で長く待つ、白衣の人に検査をされるといった一連の流れが、本人にとっては予測できない出来事の連続になり、拒否や興奮という形で表れます。この背景を理解すると、「説得の技術が足りない」のではなく「その方法自体が本人に合っていない」ケースが多いと分かります。訪問診療は、住み慣れた自宅というご本人にとって最も安心できる環境で診察を完結させるため、この不安の根本要因を避けられる点が特徴です。

まだ診断を受けていない場合はどうすればいい?

「病院に一度も連れて行けておらず、そもそも認知症の診断すら受けていない」という状態でも、訪問診療の相談自体は可能です。もの忘れ外来など専門的な鑑別診断が必要になるケースもありますが、まずは自宅で医師が本人の様子を確認し、生活状況や症状の経過を聞き取ることから始められる場合があります。

要介護認定を申請する際に必要な主治医意見書は、実際に本人を診察した医師が作成するものです。訪問診療の中で意見書作成に対応できるかどうかは医療機関によって異なるため、対応可能な範囲は事前に医療機関へ直接ご確認ください。診断や意見書作成を検討している場合は、相談の際にその旨をあわせて伝えておくと、その後の案内がスムーズになります。まずは「診断もまだで、通院もできていない」という現状のまま、医療機関やケアマネジャー、地域包括支援センターに相談することから始めて構いません。

受診拒否を続けるとどんなリスクがある?

受診を先延ばしにし続けると、体調変化への対応が遅れるリスクと、要介護認定の手続きが進まず必要な介護サービスに結びつきにくくなるリスクの両方があります。認知症そのものの進行だけでなく、糖尿病や高血圧などの持病の管理が滞ったり、転倒・脱水・感染症といった急な体調変化に気づくタイミングが遅れたりする可能性があります。

介護保険の要介護認定を申請する際には主治医の意見書が必要になるため、かかりつけの医師がいない、あるいは受診が途絶えている状態では、認定手続きそのものが進みにくくなることがあります。要介護認定の有効期間は新規申請で原則6か月、更新申請で原則12か月(状態が安定していれば最長48か月まで延長可能)と定められており、この認定がなければ利用できる介護保険サービスの範囲も限られてしまいます。厚生労働省の推計では、2025年時点で65歳以上高齢者のおよそ5人に1人が認知症とみられるとされており、決して特別な状況ではありません。「まだ様子を見よう」と先延ばしにするよりも、早い段階で訪問診療という選択肢を知っておくことが、ご本人とご家族双方の負担を減らすことにつながります。

訪問診療ではどんな医療が受けられる?

訪問診療では、医師が定期的に自宅を訪問し、①内服管理・服薬アドヒアランスの確認(飲み忘れ・重複・副作用の有無のチェック)、②BPSD(行動・心理症状)の経過観察(不穏・不眠・徘徊などの変化の把握)、③糖尿病・高血圧・心疾患など併存疾患の管理(血圧・血糖値等のモニタリングと処方調整)、④ご家族への介護指導(体位交換・食事介助・服薬管理のコツなど日常ケアの助言)、⑤ケアマネジャー・訪問看護・薬剤師など他職種との情報共有、といった内容を組み合わせて、外来に近い医療を自宅で受けられます。在宅酸素・経管栄養などの医療的な管理や、体調急変時の往診にも対応します。診療内容は医療機関ごとに対応可能な範囲が異なるため、対応できる処置やエリアは各医療機関の案内で必ず確認する必要があります。

川田会 在宅診療部では、外来診療と訪問診療を同じ医療法人が一貫して担当しており、これまで外来に通っていた方がそのまま訪問診療に移行できる体制を整えています。日本神経学会認定 神経内科専門医の常勤医師が在籍しており、訪問診療にも対応しているため、認知症の経過を診てきた医師がそのまま自宅での診療を継続できる点が特徴です。看取りや終末期の緩和ケアが必要になった際も、住み慣れた自宅で医師が継続的に関わることができ、「最期まで自宅で」という希望に沿った選択肢を用意できます。診療方針や個別の症状に関するご相談は、実際の診察の中で医師が丁寧にご説明します。

もの忘れ外来との違いは?

もの忘れ外来は主に認知症の診断・鑑別のための専門外来で、通院して検査を受けることが前提です。一方、訪問診療は診断後(あるいは診断が難しい状態のまま)の日常的な経過観察・服薬管理・体調管理を自宅で継続する仕組みで、通院自体が難しい方のための医療です。

診断が必要な段階では、まずもの忘れ外来への受診(またはその相談)が中心になりますが、「そもそも外来に連れて行けない」状態であれば、訪問診療の中で医師が自宅で状態を確認し、必要に応じて専門的な検査ができる医療機関と連携する、という流れになる場合もあります。どちらが適しているかは本人の状態次第のため、まずは今の状況を医療機関やケアマネジャーに伝えて相談することをおすすめします。

訪問看護との違いは?

訪問診療は医師が定期的に自宅を訪れて診察・処方・医学的管理を行う「医療」であるのに対し、訪問看護は看護師が自宅を訪れて療養上の世話や医療処置の補助を行うサービスで、医師の指示のもとで実施されます。

多くの場合、訪問診療と訪問看護は併用され、医師が診療計画を立て、看護師が日々のケア(バイタルチェック・褥瘡の処置・服薬管理の補助など)を担うという役割分担になります。どちらか一方を選ぶというより、本人の状態に応じて組み合わせて利用するのが一般的です。利用できる訪問看護の頻度や内容は医療保険・介護保険の仕組みによって異なるため、詳細はケアマネジャーや医療機関にご確認ください。

訪問診療に切り替えるタイミングの見極め方は?

目安は、①外来受診のたびに本人が強く拒否・興奮する、②移動や待ち時間そのものが体調に負担をかけている、③持病の管理や薬の調整が滞りがちになっている、のいずれかに当てはまった時です。1つでも当てはまれば、無理に外来受診を続けるより訪問診療への相談を検討するタイミングと言えます。

下の表は、外来受診を続ける場合と訪問診療に切り替える場合の違いをまとめたものです。ご家庭の状況に照らして判断する材料にしてください。

比較項目 外来受診を続ける 訪問診療に切り替える
本人の負担 移動・待ち時間で不安や興奮が生じやすい 自宅で完結し環境変化が少ない
ご家族の負担 連れ出す準備・付き添いに時間がかかる 自宅で医師の来訪を待つだけで済む
診療の継続性 受診拒否が続くと通院自体が途絶えがち 定期訪問で経過観察を継続しやすい
急な体調変化 受診まで様子を見ることになりやすい 往診対応の相談がしやすい
対象となる方 移動・待合が可能な方 移動や受診への抵抗が大きい方

迷う場合は、ケアマネジャーがいればまず相談し、いなければ地域包括支援センターや在宅医療を行う医療機関に直接問い合わせる形で構いません。

歩けて元気でも受診を拒否している場合、訪問診療の対象になる?

体は元気で歩けても、認知症による強い拒否や不穏・パニックなどで実質的に病院への通院が難しい状態であれば、訪問診療の対象になり得ます。訪問診療は制度上「通院が困難な方」を対象とした医療ですが、この「通院困難」かどうかの判断は、身体の障害の有無だけでなく、認知症の症状によって外出・移動・受診という一連の行動自体が本人にとって著しい負担や混乱を招くかどうかも含めて、医師が本人の心身の状態や生活状況を踏まえて総合的に判断します。

つまり「足腰は丈夫だから訪問診療は使えない」というわけではありません。実際には、身体的には自力で歩ける方であっても、車での移動や待合室での待機、見知らぬ医療スタッフとの対面といった受診の一連の流れに強い抵抗を示し、結果として何年も受診できていないというご家庭は少なくありません。このような場合、ご家族だけで「通院困難にあたるかどうか」を判断しようとせず、まずは今の状況をそのまま医療機関に伝えて相談することをおすすめします。ケアマネジャーがいる場合は同席してもらうと、生活状況の説明がスムーズです。最終的な適用可否や訪問頻度は、実際の診察や相談を通じて医師が判断します。

本人が訪問診療そのものを拒否したらどうなる?

医師の訪問を本人が嫌がる場合でも、多くはご家族や医療機関側の工夫で受け入れてもらえるケースがあり、拒否イコール利用できないというわけではありません。「知らない人を家に上げたくない」という抵抗は、認知症による警戒心の表れであることが多く、対応の工夫で和らぐことがあります。

具体的には、①初回は「近所の先生が様子を見に来てくれるよ」「お父さん(お母さん)の知り合いが来るよ」など、本人が身構えにくい紹介の仕方をする、②初回訪問は診察を急がず、雑談や体温測定など負担の少ないことから始めて短時間で切り上げる、③本人が信頼している家族に同席してもらい、医師との会話に慣れてもらうところから始める、といった進め方が有効な場合があります。

それでも強い拒否が続く場合は、無理に初回から詳しい診察を行うのではなく、複数回に分けて少しずつ関係を築く、時間帯や訪問頻度を調整するなど、医師・ケアマネジャーと相談しながら本人のペースに合わせて進めることが可能です。まずは「訪問診療も嫌がりそうで心配」という段階でも、その懸念も含めて相談してみてください。

さいたま市南区・南浦和で頼れる相談先は?

さいたま市南区で訪問診療を検討する場合、お住まいの地域を担当する地域包括支援センターへの相談と、外来から訪問診療まで対応する地域の医療機関への直接相談の2つのルートがあります。すでに病院やケアマネジャーとつながりがある場合は、まずその窓口で在宅医療への切り替えが可能か確認するのが最短です。

川田会 在宅診療部(川田クリニック)は、さいたま市南区南本町を拠点に、南浦和・浦和・武蔵浦和・蕨エリアを中心に訪問診療を行っており、ケアマネジャーや病院の連携室からの相談も受け付けています。外来から訪問診療まで同じ医療法人が切れ目なく対応するため、「今は外来に通えているが、いずれ通えなくなった時が心配」という段階からのご相談も可能です。基本情報は以下の通りです。

項目 内容
名称 川田クリニック(医療法人社団 川田会)
所在地 〒336-0018 埼玉県さいたま市南区南本町2-22-2
電話番号 048-606-4219
診療・受付時間 平日 9:00〜17:00(訪問診療のご相談受付)
休診日 土曜・日曜・祝日(訪問診療のご相談受付)
アクセス JR京浜東北線・武蔵野線 南浦和駅 徒歩4分
対応エリア さいたま市南区中心に南浦和・浦和・武蔵浦和・蕨など
ご相談・お問い合わせ お問い合わせフォーム https://kawata-zaitaku.com/contact.html

対応可能な処置や訪問エリアの詳細は、公式サイト(kawata-zaitaku.com)の診療内容・対応エリアのページでご確認ください。

訪問診療の費用と始め方は?

訪問診療の費用は医療保険と(要介護認定を受けている場合は)介護保険の仕組みに基づいて計算され、始める手順はケアマネジャーの有無にかかわらずシンプルです。それぞれ以下で詳しくご説明します。

費用の仕組みと内訳は?

訪問診療の費用は、①訪問1回ごとにかかる訪問診療料、②月単位で算定され在宅療養を総合的に管理するための在宅時医学総合管理費、③処方された薬にかかる薬剤費、の主に3つが積み重なる形で構成されます。交通費は訪問診療料に含まれ、原則として別途請求されないのが一般的です(取り扱いは医療機関により異なる場合があります)。月2回程度の定期訪問であれば、この3項目が月内に積み上がるイメージです。

自己負担割合は、医療保険が年齢や所得に応じて原則1〜3割、介護保険サービスを併用する場合も原則1〜3割と定められています。75歳以上の後期高齢者医療制度の対象者は自己負担割合が原則1割(現役並み所得のある方は3割、一定以上所得のある方は2割)、介護保険サービスの利用者も原則1割(一定以上の所得がある方は2割または3割)です。

実際の費用は、次の4つの要素の組み合わせで決まります。

  • 医療保険の種類・年齢(後期高齢者医療制度か、それ以外か)
  • 所得区分による自己負担割合(原則1〜3割)
  • 月あたりの訪問回数(訪問診療料・在宅時医学総合管理費は回数・算定区分により変動)
  • 処置・管理の内容(在宅酸素や経管栄養など医療処置が加わるかどうか)

この4つは電話でも確認できます。お電話の際に、①保険証の種類(後期高齢者医療被保険者証か国民健康保険証かなど)、②自己負担割合証に記載の割合、③介護保険証をお持ちの場合はその要介護度、④希望する訪問頻度の目安、をお伝えいただくと、その場でおおよその見込みをご案内しやすくなります。事前に保険証・自己負担割合証・介護保険証の3点をお手元にご用意いただくとスムーズです。正確な見込み額は診療内容によっても変わるため、当院の費用の詳細は公式サイトの費用に関するページでもご案内しています。

始めるまでの流れと、家族が立ち会えない場合は?

訪問診療を始める流れは、①医療機関やケアマネジャーへの相談、②現在の体調・生活状況のヒアリング、③初回訪問日の調整、④自宅での初診・診療計画の説明、という4ステップが一般的です。特別な準備をしなくても、まずは相談から始められます。

すでにケアマネジャーがついている場合は、ケアマネジャーを通じて在宅医療への切り替えを相談すると、生活状況を踏まえた調整がスムーズです。ケアマネジャーがいない場合や、要介護認定をまだ受けていない場合は、医療機関に直接問い合わせても構いません。

独居の方や、日中はご家族が仕事で不在、遠方にお住まいで頻繁には付き添えないというご家庭も少なくありません。この場合、初回訪問に必ずしもご家族が同席できなくても、事前の電話相談で本人の状況やご家族の連絡先、緊急時の連絡体制を確認したうえで訪問を行うことが可能です。ご自宅の鍵の管理方法や、訪問時に本人だけで対応する場合の同意確認については、事前の相談時にご家族の意向を伺いながら個別に調整します。遠方にお住まいのご家族は、電話やケアマネジャーを通じて定期的に体調報告を受け取ることもできますので、まずは「立ち会えない」という状況も含めてご相談ください。

川田会 在宅診療部では、kawata-zaitaku.comの問い合わせフォーム、オンライン予約(https://kawata-zaitaku.com/contact.html)、またはお電話048-606-4219(受付 平日9:00〜17:00)で、ご家族・ケアマネジャー・病院連携室のいずれからのご相談も受け付けています。まずは「連れて行けなくて困っている」という現状をそのままお伝えいただければ、状況に応じたご案内が可能です。

よくある質問

認知症の親が病院に行くのを嫌がって暴れます。どうすればいいですか?

無理に連れて行こうとせず、まずは訪問診療への切り替えを検討してください。暴れる・拒否するのは性格の問題ではなく、慣れない環境への不安や見当識の低下による症状であることが多いです。自宅であれば環境の変化が少なく、落ち着いて診察を受けられる場合があります。ケアマネジャーがいれば相談し、いなければ在宅医療を行う医療機関に直接問い合わせる形で構いません。

要介護認定を受けていなくても訪問診療は頼めますか?

要介護認定の有無にかかわらず、訪問診療そのものは医療保険の仕組みで受けられます。ただし訪問介護やデイサービスなど介護保険サービスを併用したい場合は、別途要介護認定の申請が必要です。認定申請には主治医の意見書が必要になるため、まず訪問診療で主治医との関係を作ることが、その後の介護サービス利用にもつながります。

訪問診療をお願いすると、今通っている病院はどうなりますか?

専門科の受診が必要な場合は、訪問診療に切り替えた後も併用して通院を続けられることが一般的です。訪問診療医は日常的な体調管理やかかりつけ医としての役割を担い、専門的な検査・治療が必要な場面では必要に応じて専門医療機関へ紹介状を作成して連携します。すべての通院をやめる必要はなく、どの受診を続けどれを訪問診療に置き換えるかは、現在の通院状況を伺いながら個別に相談して決めていきます。

訪問診療と往診はどう違うのですか?

訪問診療は、あらかじめ計画を立てて定期的(月に数回など)に医師が自宅を訪れる診療形態です。一方往診は、体調が急変した際などに単発で医師が駆けつける診療を指します。訪問診療で普段の状態を継続的に把握しておくことで、急変時の往診対応もスムーズになりやすいというメリットがあります。

看取りまで自宅でお願いすることはできますか?

訪問診療では、終末期の緩和ケアや看取りまで自宅で対応することを前提とした診療体制を取っている医療機関があります。ご本人・ご家族の希望に応じて、入院に切り替えるか自宅で過ごすかを、その時々の状態を見ながら医師と相談しながら決めていく形になります。まずは今の段階でご希望を医師に伝えておくと、状態が変化した時にも慌てずに対応しやすくなります。

訪問診療はどのエリアまで対応してもらえますか?

対応エリアは医療機関ごとに異なります。川田会 在宅診療部は、さいたま市南区を中心に南浦和・浦和・武蔵浦和・蕨エリアを訪問しています。エリア外の場合でも対応可否が異なるため、まずは公式サイトの対応エリアページで確認するか、問い合わせフォームやお電話でご相談ください。

まとめ

認知症の家族を病院に連れて行けない時は、まず声かけや受診の段取りを工夫し、それでも難しければ無理をせず訪問診療という選択肢を検討することが、ご家族の負担を減らす近道です。要点は3つあります。①受診拒否は本人の意思の弱さではなく認知症の症状の一部であり、体は元気で歩ける方でも、また訪問診療そのものを嫌がる場合でも工夫次第で対象になり得ること、②訪問診療なら自宅で継続的な医療を受けられ、費用は保険の種類・所得区分・訪問頻度・処置内容で決まるため電話で概算を確認できること、③まずはケアマネジャーか地域包括支援センター、または在宅医療を行う医療機関へ相談することです。川田会 在宅診療部(川田クリニック)では、オンライン予約(https://kawata-zaitaku.com/contact.html)、kawata-zaitaku.comの問い合わせフォーム、またはお電話048-606-4219(受付 平日9:00〜17:00)でご相談を受け付けています。

院長・内科医國﨑正造からのコメント

「連れて行けない」というご相談を受けるたびに感じるのは、ご家族が自分を責めすぎているということです。認知症の受診拒否は珍しいことではなく、体は元気で歩ける方でも、訪問診療そのものを嫌がる方でも、工夫次第で対応できるケースを数多く見てきました。無理に連れ出す方法を探すより、こちらから伺う訪問診療に早めに切り替える方が、ご本人にもご家族にも負担が少ないことがほとんどです。一人で抱え込まず、まずはご相談ください。

参考文献

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を代替するものではありません。症状がある場合は医療機関を受診してください。